人間は意識の方向に向かっていくと言われるが、まず自分自身がもっとも欲しいものがなんなんか、自分の生涯にわたって何を得たいのかを、自分自身に問いかけ、明確にする必要がある。そうやって方向性を決めたら、あとはそれに向かって進んでいくだけだ。
その際に意識すべきことは、稽古においても同じことが言えるが、「したいこと」ではなく、「すべきこと」に取り組むことだ。欲しいものを手に入れるために、自分には何が足りないのか、その上で今何をすべきなのか。そうしたことを見極めながら、取り組んでいかなければならない。
自分が持っていないものを手に入れようとするわけだから、当然、痛くて、辛くて、苦しいことに直面する。しかし、その際は自分自身としっかり向き合うことが大切だ。「こんなに苦しいことをするのはなんのためなのか、これほど辛いことをしてまで欲しいものなのか」、そう自分自身に問いかける。自分の原点に立ち返り、「いや、どんなに辛くても自分はこれを手に入れたい。生涯を賭けてこれを得ようと決めたんだ」という自分の意思を再確認できれば、新たに目標に立ち向かっていく気持ちが強くなるし、そうして成長していくことができるのである。
ワールド空手より転載 |