前回もボクシングの経験について触れましたが、今回もその続きです。
いよいよ、ボクシングでの初めてのスパーリング。
K-1が流行していて、極真空手からもフィリォやニコラス・ペタス、グラウベフェイトーザなどがK-1に挑戦していた時期と重なる為、自分の中では舞台は小さいが、極真空手代表でボクシングに挑戦するような感覚だった。(本当に舞台が小さくてすみません。)
スパーリング用の14オンスのグローブ、ヘッドギアを付けてリングへ。
当時は茶帯になって1年くらいの時期だったろうか?相手がアマチュアボクシングの大会にも出場している先輩の練習生だろうと、極真の茶帯として負けるわけにはいかないという思いだった。
ちょっと余談ですが、ここのジムのヘットギアを借りて付けたのだが、何と言っても臭い・・・。
ヘッドギアの中は、汗と、血と、唾液のシミが酷く、それが染み込んでいた。
会長からは「3分2ラウンド」と声がかかり、ゴングが鳴った。
お互いに間合いをはかり、軽いジャブを出しながらリングを回る。開始30秒くらいだろうか、先輩の強烈なワン・ツーが襲ってきた。これはブロックで防ぐことが出来た。自分では良くパンチは見えていた。こちらもワン・ツーを返していく。空手の癖で蹴りを出してしまいそうだった。
前にも触れたが、ボクシングの世界戦などでは、スウェーやダッキングなどの高度な防御を見る事があるが、アマチュアや4回戦レベルのプロではなかなか使いこなす選手は少ない。
会長曰く、4回戦クラスのプロの試合は「見ていて、ケンカとあまり変わらないよ」というレベルらしい。1ラウンド目は、お互いに様子を見る程度で終わった。
2ラウンド目に入ると、先輩の様子見は終わり、一気に間合いを詰めてきた。強烈なワン・ツーが飛んできたと思ったら、強烈な右フックが・・・。一瞬、目の前が真っ白に。何が起こったのか判らないくらいだった。顔面へのパンチを受けるのは、高校の時のケンカ以来だ(苦笑)。衝撃はあるが、ヘットギアと大きなグローブのお蔭で痛くは無かった。
このままでは「やられるな」と思っていたら、今度はボディへのワン・ツーが来た。空手でボディへの攻撃は慣れているのでなんてことは無かった。顔面のガードを固め、ボディへの攻撃を誘う事にした。案の定、接近して先輩はボディを打ってきた・・・。そこへカウンターの右フックを合わせた。綺麗にヒット。先輩がグラついた。
先輩は顔面のガードを固め、コーナーへ下がっていく。一気にボディを攻撃しコーナーへ詰めた。接近しての下突きは極真空手家として負けられない。先輩のボディを効かせ、ガードが下がったところで顔面へのフックの連打を浴びせた・・・。そこへ会長のストップの声が。
空手とは違うが、スパーリングには慣れていたことが幸いした。
会長より「左衛門さんはしっかり相手を見て動いているね」と褒めて頂いた。
私のちいさな異種格闘技戦はガチの勝負ではなかったがTKOでの勝利に終わった。
押忍。 |