黒帯〜極真空手の黒帯になるための徹底ガイド〜  
 
 
 大山倍達総裁&松井章奎館長語録

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 世界大会前にしていた稽古内容について

世界大会前には、年明けから4月か5月あたりまでウエイトトレーニングを中心に徹底して身体作りに取り組みましたね。当時は誰もがウエイトトレーニングをやり込んでいて、ベンチプレスで190kgを挙げる人や、スクワットで300kgを超えている人もいたんですが、そのなかにあって、私はそれほどの数値が出ませんでした。たしかベンチプレスが140kg、スクワットも180kgくらいで、何年かかっても記録が伸びなかったんです。今から思えば、朝からロードワークをこなして、一部の稽古に出て、サンドバッグ、キックミットをやって、その疲れ切った身体で午後からウエイトトレーニングに行っていたんですから、記録が伸びるはずはありませんよね。そこで、各スポーツ界の多くの選手が指導を仰いできたサンプレイの宮畑豊会長のもとで集中して取り組むことにしました。世界大会まで時間がなく、ウエイトトレーニングの基礎はできているから、高重量、高回数をテーマに始めて、まず上半身を中心にトレーニングすると最初の1ヶ月半でベンチプレスが175kgまで挙がるようになり、スクワットも230kgとそれなりの成果を得ることができました。

夏には郷田師範に相談して、アメリカの大山茂師範と大山泰彦師範のもとで2週間ずつ出稽古に行きました。最初の大山茂師範の道場では、鉄アレイを持ってロードワーク、そこからサンドバッグを1時間半叩き続けて、昼に一般の稽古に出て、現地の大きな相手と組手して、夜にも1時間半のサンドバッグをこなすという稽古でした。サンドバッグで後ろから竹刀で叩かれてお尻が内出血で真っ黒になって座ることもできないし、消耗し切ってご飯も喉を通らない。サンドバッグを叩き続けているから手はボロボロで、足の裏の皮は全て剥げてと、1週間で体重が5、6kg落ちました。それを滞在中続けてたんですが、自分の空手人生のなかで一番密度の濃い稽古をした時だったと思います。

秋から総合的に整えていくような稽古でしたが、あまり組手はやらずに、シャドーが多かったように思います。組手をやる場合も、一人の相手と休憩なしで1時間とか1時間半の組手をやっていました。時間が長いですから激しい組手ではなかったのですが、自分のタイミングや間が相手に覚えられて徐々に技が入らなくなっていくんです。そうすると技を入れるために工夫するようになる。秋から大会前は1日4、5時間でしたが、そういった稽古をやっていました。


総本部冬合宿館長講話より




 
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