昇級審査や昇段審査はなるべくたくさん受けて、先に先にと進んだほうがいいです。
審査で合格する人すべてがそれに見合った力量を持っているかと言えば、なかなかそういう人は少ないですが、段階が上がることによって、その人自身の自覚や自信が実力を引き上げることにつながる場合が多いんです。
大会でも同じで、なかなか大会に出ずに「勝てるようになってから出たい」と言っている人が実際にはなかなか勝てる選手にならない。
逆に負けてもその負けから何かを学び、修正してさらにまた挑戦していく、その繰り返しが人を強くするんです。
もちろん本来の武術としての観点から言えば、負けは死を意味するということになりますが、試合というのは文字通り試し合いですから、現状の自分を試す場として試合=大会があるわけです。
審査も、演武会での試割りも同じで”試し”をやらずに強くなる人はいません。
全日本チャンピオンや世界チャンピオンになろうと思っていない人も一度や二度は試合はどんなものだろうと経験したほうがいいのではないかと思います。
試合に出るためには必ず準備をしますから、勝ってその努力が報われたとか、勝って良かった、負けて悔しいなどの気持ちは人生の体験や経験として他で得ることができない貴重なものになると思うので、必ず試合に出なさいと無理は言いませんが、出来るならそういう体験や経験をして何かを学んでほしいという気持ちはあります。
ただし極真の象徴でもある一般成人男子は、大山総裁が言われたように、極真は「勝負偏重主義」ということですから、いざ勝負になったら親や兄弟でも勝つんだという気持ちがなくてはいけません。
総本部冬合宿館長講話より
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